菊人形

 秋の深まりとともに日本各地で菊に関連したお祭やイベントが数多く
開催されています。 菊は昔から多くの人々に愛されている花のひとつで、
秋を代表する花。

色とりどりの菊の花やその葉を細工し人形の衣装として、歌舞伎や芝居の
名場面をあらわしたものが「菊人形」です。

この秋の風物詩となっている菊人形の起源は、江戸時代にまで遡ります。

江戸の巣鴨染井の植木職人が造詣に趣向を凝らしてお寺の参拝客たちに
みせた「菊細工」に端を発し、後に大阪の人形師が歌舞伎役者の等身大の
人形を作り、見世物とした「生き人形」と結びつき、「菊人形」となる。

さらに展示方法も、物語に沿って場面を順に見せる方法に加え、歌舞伎の
段返しという手法も導入され、一気に人気とともに全国に広まりました。
 ※「段返し」天井からの吊り下げ、舞台の下(奈落)からのせり上げ、
   舞台の袖のかき割りなどの技法を用い、幕間なしに舞台上で菊人形
   を動かし、背景を次々に変えるなどの演出方法。

特にその中で明治にかけて、団子坂(文京区千駄木)で流行の歌舞伎の名
場面をあらわす菊人形の小屋が立ち並び、人気を集めました。

近年日本三大菊人形として大阪府枚方市、福井県越前市、福島県二本松市の
ものが有名でしたが、枚方では菊人形を作る「菊師」の後継者不足などの
理由から2005年を最後に96年の歴史に幕を下ろしてしまいました。

さらに菊人形展の中止は全国で相次いでおり、日本の伝統文化の火が消えて
いくのを見聞きするのは、さみしい限りです。




Powered by Movable Type 3.33-ja Copyright(C) 2006 祭情報総合サイト Allrights reserved.